Visual Studio 2026 Insiders

目次
Visual Studio 2026 Insiders
9月9日に Visual Studio 2026 Insiders がリリースされていました。
日頃から Visual Studio 2022 を使い倒している私ですが、待望の新バージョン登場です。
「Insiders ってなに?」と思いますが、要するにプレビュー版のようです。
早速インストールしてみました。
起動直後の画面は以下のようになりました(図1)。
2022 とほとんど変わらないです。強いて言えば左上のアイコンのデザインが少し変わったぐらい?
Visual Studio 2022 では配色テーマを「システム設定の使用」にしていたので、それに合わせてみましょう。
ツール > オプション > 全ての設定 > 環境 > ビジュアル エクスペリエンス
から変更できる 1 のですが、よく見るとオプション画面の見た目が今までと変わっています(図2)。
これが Fluent UI 2 というやつでしょうか、モダンなデザインになっていますね。
図2 全ての設定 > 環境 > ビジュアル エクスペリエンス
無事、配色テーマを変更できました。
ざっくりと変更点を見ていきます。
.NET 10 への対応
Visual Studio 2026 から .NET 10 に対応しています。
コンソールアプリを新規作成すると、フレームワークの選択肢に .NET 10.0(プレビュー)
が表示されるようになりました。
.NET 10.0
には C# の最新バージョンとなる C# 14
が含まれています。
ここでは、C# 14 の拡張プロパティを作成してみます。
if ("".IsEmptyOrNull)
{
Console.WriteLine("文字列は空または null です");
}
public static class StringExtensions
{
extension(string source)
{
public bool IsEmptyOrNull => string.IsNullOrEmpty(source);
}
}
想定通りの実行結果になりました(図4)。
コードエディタ
エディタの下部に、現在選択している領域の文字数と行数が表示されるようになりました。
また、ファイルのエンコードも表示されるようになっています(図5)。一目でファイルのエンコードが確認できるようになったのでこれは便利ですね。エンコードの表示箇所をクリックするとエンコードを切り替えるメニューも表示されます。以前の「名前を付けて保存」を使って別のエンコードで保存する手順が簡略化されました。
Markdown プレビューの Mermaid 対応
Markdown のプレビュー表示に Mermaid のレンダリングがサポートされるようになりました(図6)。 ドキュメント内の図を Mermaid で描く機会も増えてきていますので、これは順当な進化といったところでしょうか。
メソッドの戻り値表示
直前に実行したメソッドの戻り値がデバッグで表示されるようになりました(図7)。
通常のメソッドに限らず、図のとおり拡張プロパティの値も表示されました(拡張プロパティには内部的に get_
という接頭辞が付加されていることも分かりますね)。
変数に代入していない場合などで、戻り値を簡単に確認できる方法が今まではなかったので、これは嬉しい機能追加です。
ちなみに、以下のように1行で複数のメソッドを呼び出している場合は、最初のメソッドの戻り値だけが表示されるようです(図8)。少々残念ですが、今後の改善に期待します。
テキスト ビジュアライザー内での検索
これも地味ながら有能な機能追加です。テキスト ビジュアライザー内で検索できるようになりました(図9)。以前はテキストをコピーして別のエディタに貼り付け → 検索というステップが必要でしたが、不要になりました。
コードカバレッジ
Enterprise Edition 限定だったコードカバレッジの機能が Community Edition でも使用できるようになっています(図10)。
新しいソリューションファイル(.slnx)の導入
新規でプロジェクトを作成すると、ソリューションファイルは .slnx
形式で作成されるようになりました。
.slnx
形式は、.NET SDK 9.0.200 以降でプレビュー提供されている機能で、従来の .sln
形式ファイルの問題点を改善したものになっています。3
Visual Studio 2022 で作成したコンソールアプリと、Visual Studio 2026 で作成したコンソールアプリのソリューションファイルを比較してみましょう。
Visual Studio 2022
Microsoft Visual Studio Solution File, Format Version 12.00
# Visual Studio Version 17
VisualStudioVersion = 17.14.36414.22 d17.14
MinimumVisualStudioVersion = 10.0.40219.1
Project("{FAE04EC0-301F-11D3-BF4B-00C04F79EFBC}") = "ConsoleApp1", "ConsoleApp1\ConsoleApp1.csproj", "{09E299FB-241A-4E6A-8FB3-7B3C3673E019}"
EndProject
Global
GlobalSection(SolutionConfigurationPlatforms) = preSolution
Debug|Any CPU = Debug|Any CPU
Release|Any CPU = Release|Any CPU
EndGlobalSection
GlobalSection(ProjectConfigurationPlatforms) = postSolution
{09E299FB-241A-4E6A-8FB3-7B3C3673E019}.Debug|Any CPU.ActiveCfg = Debug|Any CPU
{09E299FB-241A-4E6A-8FB3-7B3C3673E019}.Debug|Any CPU.Build.0 = Debug|Any CPU
{09E299FB-241A-4E6A-8FB3-7B3C3673E019}.Release|Any CPU.ActiveCfg = Release|Any CPU
{09E299FB-241A-4E6A-8FB3-7B3C3673E019}.Release|Any CPU.Build.0 = Release|Any CPU
EndGlobalSection
GlobalSection(SolutionProperties) = preSolution
HideSolutionNode = FALSE
EndGlobalSection
GlobalSection(ExtensibilityGlobals) = postSolution
SolutionGuid = {8DE17906-353E-4A90-B34A-C4752C111637}
EndGlobalSection
EndGlobal
Visual Studio 2026
<Solution>
<Project Path="ConsoleApp1/ConsoleApp1.csproj" />
</Solution>
謎の独自形式だったソリューションファイルですが、シンプルな xml 形式に変更されています。
GitHub Copilot の統合
Visual Studio 2026 の大きなトピックとして AI 支援機能(GitHub Copilot)との統合があります。4
以前の Visual Studio から GitHub Copilot は使用できましたが、2026 になって様々な機能追加が行われました。
- OpenAI(ChatGPT)以外の LLM(Anthropic Claude、Google Gemini)が使用可能
- アダプティブ貼り付け
- Copilot 用のコンテキストメニューの追加
Copilot はコードエディターと統合して動作します。
以下はコンパイルエラーになっている箇所について Copilot に質問をして、Copilot の修正提案を適用した時の手順になります(図11 〜 図16)。
右クリック > Copilot Actions
> Generate Comments
で Copilot にコメントを書かせることもできます(図17)。
まとめ
約4年ぶりとなる Visual Studio の新バージョン 2026( Insiders ≒ プレビュー版)ですが、AI の有効活用という最近のトレンドを押さえつつ、既存機能も実用的なアップデートが行われており、順当に進化していると感じました。コロちんサイトのプロジェクトは .NET 10 に移行したので、私は引き続き Insiders 版を使用していきます。
正式リリースが楽しみですね。
参考資料
Visual Studio Insiders リリース ノート | Microsoft Learn
脚注
-
ツール > テーマ からも変更できます。↩